こちらは、オンライン授業のためのFDセミナー2021第3回にいただいた質問に対して、補足説明としてまとめたものです。
講師を務めていただいた 愛媛大学教育・学生支援機構教育企画室 特任助教 上月翔太先生 からの回答です。
※セミナー内で回答いただいたものです。
内容の構造化ができているスライドであれば問題がないと考えます。一方で、この研修の準備をする中で、「話のまとまりのわかるスライド」とはどういうものかについて考えねばならないと気付きましたので、これからそれを自分自身の課題として取り組んでいきたいと思います。
口癖とは、「えー」「あー」などのように意味のない発声もあれば、「~だと思います」「~と考えます」などの語尾・語末に現れるものもあります。こういった類の癖は、あまり多すぎると聞き手が「くどい」と感じたり、伝えたいメッセージが相手にちゃんと伝わらなくなるというデメリットがありますので、文末表現は意識されるとよいと思います。また、文と文を接続するときに用いる「正直」「実は」などの副詞も口癖になりやすく、こちらも多用するのは避けたほうがよいと思います。
実際にテストに出すのであれば問題ないと思います。いつも同じ強調句では単調になってしまうので、バリエーションを持つことも重要だと考えます。
一般的なFD研修では、講義スライドのフォントは24ポイント前後が適切と言われることが多いですが、オンラインの場合、授業内容によってはその限りではなく、多少小さくなっても学生が問題なく読み解ける大きさであれば問題ないと思います。
「ここまでの話はわかりましたか?」という声かけは、曖昧で反応が得られにくい傾向のある質問のため、避けたほうがよいと思います。「ここまでの内容」を、少し具体的な内容やポイントに落とし込み、「今説明した***を、自分の言葉で説明できますか?」「先ほど言った3つのポイントを、頭の中で並べて整理してみてください。(間をとった後)できましたか?」などの直接的な表現で確認すると反応が得られやすくなります。
緩急の問題は一部あるかもしれません。講義は基本的にはゆっくりしゃべりつつ、合間の雑談や体験談などといった教員の人となりを話す場面では少しスピードを変える(早くする)などで、授業内に緩急を設けることもできるかもしれません。オンライン授業の場合、対面授業よりも「書き言葉のように話す場面」「話し言葉のように話す場面」をはっきりと分けたほうが効果的と考えています。そのため、教科書の説明や講義の時間ではより書き言葉のようにフォーマルに話し、意見交換などインタラクティブ(双方向)な時間では普段の話し言葉のようにラフに話すなど、2つの役割(モード)を使い分けると授業に緊張感が芽生えやすく、また学生に聞いてもらいやすい授業になると思います。